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PTAはもっと楽しくていい。アメリカのPTAに学ぶ、保護者参加の新しいカタチ

Updated: Jun 10


a parent assisting classroom as a volunteer
a parent assisting classroom as a volunteer


「PTAって正直ちょっと面倒……」「どうしても断れなくてやってるだけ」——そんな声を、日本の保護者の間でよく耳にします。実際にPTA役員を経験したことのある方の中には、膨大な作業量や人間関係のストレスに悩んだ人もいるでしょう。

けれど、もしPTAが「楽しくて」「やりがいがあって」「無理なく関われる」ものだったら、どうでしょう? そして実際に、そんなPTAのカタチが、アメリカではごく当たり前に存在しているのです。

今回は、アメリカ在住の保護者として感じた「PTAって実はこんなに楽しいものだったんだ!」という体験をもとに、日本の保護者のみなさんにもぜひ知っていただきたい、新しい保護者参加のスタイルをご紹介します。



■ 日本のPTA:義務とプレッシャーの空気


日本のPTA活動は、多くの学校で「持ち回り制」「断れない空気」といった仕組みが存在しています。特に小学校では、「一度はやらなきゃいけない」「○年生のときに役が回ってきたら断れない」といった暗黙のルールがあったりして、保護者にとってプレッシャーになっているケースが少なくありません。

さらに、「誰が何をやるか」でトラブルが起きたり、活動に非協力的な保護者への不満が募ったりと、子どもたちのための活動であるはずなのに、大人同士の関係にストレスが生じてしまう場面もあります。

その結果、本来「学校と家庭の橋渡し」として意義あるはずのPTA活動が、「なるべく避けたい」「面倒なもの」と捉えられてしまうのはとても残念なことです。


■ アメリカのPTAは「やりたい人がやる」仕組み


一方、アメリカのPTAはまったく違うスタイルで運営されています。最大の違いは、参加が任意であること。PTAに入ること自体が強制ではなく、希望者のみがメンバーとなり、ボランティアベースで活動に参加します。

役員選出も立候補制が基本で、やりたい人が「やります!」と手を挙げるスタイル。参加を強制されることがないため、誰もが前向きな気持ちで関わっているのが印象的です。

さらに、活動の内容もとても多様で、参加スタイルも柔軟です。

  • 1日限りのイベント手伝いだけ

  • 会議への出席なしで、お菓子や文房具を提供するだけ

  • 仕事が休みの日にだけ手伝う

  • 翻訳やデザインなど、自分の得意分野で協力

など、**「できるときに、できることを」**という精神が徹底されています。




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■ それでも充実している、アメリカのPTA活動


「自由参加なら、誰も参加しなくなるのでは?」と思うかもしれません。けれど実際には、アメリカのPTA活動はとても活発です。

その理由は、「やりたいと思う人が楽しく活動できる仕組み」があるから。たとえば:

  • 子どもたちのためのハロウィンパーティや読書週間のイベント

  • 学校スタッフへの感謝ランチの企画

  • 校庭の美化活動

  • 書き損じたプリントのリサイクルなどエコ活動

など、「やっていて楽しい」「誰かの役に立っている」「子どもが喜ぶ」という喜びを感じられるものが中心です。

また、アメリカでは保護者同士のつながりや、学校との距離を近づけるチャンスとしてPTAを活用している家庭も多く、「PTAを通じてママ友ができた」「先生たちとの信頼関係が築けた」といった声もよく聞かれます。




a guy is registering at a volunteer sign up booth
a guy is registering at a volunteer sign up booth

■ 「義務感」から「喜び」へ:関わり方を変えてみよう


もちろん、日本とアメリカでは教育制度も文化も違うため、まったく同じ仕組みを取り入れることは難しいかもしれません。

でも、「やらされている」「仕方なく」という雰囲気ではなく、「やってみようかな」「自分にできることだけでも」という、前向きな参加の空気を少しずつ広げていくことは可能です。

実際、日本でも一部の学校では

  • ボランティア制の導入

  • オンライン会議の導入

  • 担当の細分化や短時間化

  • 任意参加イベントの充実

といった工夫で、保護者の負担を減らし、参加しやすい雰囲気づくりを始めているところも増えています。


■ 日本の保護者のみなさんへ:もっと気軽に、もっと楽しく


私自身、アメリカのPTAに初めて参加したとき、「こんなに楽しくて、自由で、前向きなものだったのか!」と驚きました。そして今では、学校との関わりがあることが自分の生活にも子どもの学校生活にも良い影響を与えていると実感しています。

日本でも、PTAという存在がもっと開かれたものになれば、きっとたくさんの保護者が「関わってよかった」と思えるはずです。

「やれる人が、やれるときに、やれることを」この精神を大切にすれば、PTAはもっと自由で、もっと楽しく、もっと有意義な活動になるはずです。

無理をしなくていい。完璧じゃなくてもいい。少しの時間でも、ちょっとしたアイデアでも、関わることで子どもたちの学校生活がより良くなるのだとしたら、それはとても素敵なことだと思いませんか?

ぜひ、少しでも「やってみようかな」と思ったら、気軽な一歩を踏み出してみてください。日本のPTAも、きっともっと楽しく変われます。


 
 
 

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